[PR] ハローワーク ---更地--- 桜庭一樹〜物語る少女と野獣〜
04≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫06
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消せます。
2008.08.10
桜庭一樹  ~物語る少女と野獣~桜庭一樹 ~物語る少女と野獣~
(2008/08/01)
桜庭 一樹

商品詳細を見る

桜庭ファン必読の書。
今まで桜庭さんの本を読んできた人ならば、絶対に楽しめる本でしょう。

以下、収録されていたコンテンツの紹介と、その感想です。

○短編小説「ライティング」
書き下ろしの小説です。
タイトルから察することができますが、そのままズバリ書くことと、小説家についてのお話でした。
>雨の午後、ふるい洋館で、作家の「ぼく」が出合ったのは――
という内容の短編です。

桜庭さんの小説は重い作風のものがけっこう多いですが、これはほんわかとしていました。
また、
>プロになって、文学賞ももらったというのに、この若い作家には知識や、考えたことの蓄積が足りなくって、ぜんぜん足りなくって、
というような箇所があり、この短編が自分と小説について書かれたものだと分かります。

最後に、
>「だけどねぇ、小説のことだけは、けっして舐めちゃいけないよ。死ぬまでね」
というせりふは、桜庭さんの決意表明なんでしょうか。
それとも我々への警告なんでしょうか。
面白かったです。


○相思相愛対談「真夜中のリッツパーティ」with大谷ノブ彦
お笑いコンビのダイノジのひとり、大谷ノブ彦と桜庭さんによる対談。
話は「答えられたらヤバいクイズ」や、「芸とは、つまるところ嘘の共有なのだ」というものでした。
両者とも共通しているのは、広義な意味での芸術家というだけなのですが、以上のような話題についてなかなか面白い会話が繰り広げられていました。
『赤朽葉家の伝説』で桜庭さんが引き受けた何か、についての話が面白かったです。


○読書界より桜庭一樹へ「100の質問」
  金原瑞人/北村薫/角田光代/万城目学/綾辻行人/鈴木成一
  高野和明/坂木司/マッシモ・スマレ/道尾秀介/杉江松恋
「読書界」とかズバリ以上の面々。
こう来るのか!って感じのメンバーですね。

質問はそれぞれが尋ねたいことを適当に書いていて、それについて桜庭さんが真剣に答えているような感じです。
金原先生の、
>翻訳書を読んでいて、この翻訳家、殺してやりたいと思った事はありませんか?
という質問とか、割とテンションの高い応答が面白かったです。

勿論、それだけでなく、桜庭さんの考えや趣味嗜好が仄見えて面白かったです。
「読書界」の面々についても触れられる、ひとつぶで二度おいしい企画です。


○徹底解析「第一期ビッグタイトル×3」
内容は『少女七竈と七人の可愛そうな大人』『赤朽葉家の伝説』『私の男』の解析・評論です。
それぞれの作品について、少し詳しい、物語のアウトラインを沿う感じの解説が楽しかったです。
また書き下ろしの榎本正樹『桜庭一樹論』が興味深い。
桜庭作品について深く読みこまれていて、舌を巻きました。凄い。

ちなみにうちの大学で『教鞭をとっている』そうです。
金原先生といい、探せばけっこういるもんですね……。


○桜庭一樹による「ライヴ@直木賞」
桜庭さんの日記によると、
>写真、当事者たちの証言、当日のタイムテーブル、いまだからの裏話、
>すげーしゃべった授賞式の受賞コメント(←場内爆笑だった!)全録など
とのこと。正にそんな感じでした。

特に面白かったのは、「当事者達の証言」です。
桜庭さんが書くレポートに出てくる人物が、テンパったり奇妙な行動をする桜庭さんについて言葉を寄せていました。
出版社の面々が多く登場し、業界人って面白いなーとも思いました。

また「08年2月末嵐の中で考えたこと」と題される文章もありました。
1、流されないこと。
2、謙虚でいること。
3、より大胆に書くこと。
以上がその内容です。
この調子でどんどん本を出して欲しいですね。


○「机上のお仕事パートナー」
デュマスの画集、直木賞商品の銀時計、手榴弾型のチョーカー、ワニのホッチキス、おっぱいどー、風来坊ルーズリーフ、ミニヨンの卵踊りブローチ、ハサミ型のヘアピン、わき毛ブラシ、読書クラブ員バッヂ。
以上です。

○ロングインタビュー「THE INTERVIEW」by重松清
桜庭作品の舞台や、その特徴について。
個人的には桜庭さん云々より、重松清の深い読み込みのほうが驚きでした。
また『荒野』における年齢の効果、作品の仕掛けなどについても触れられていました。
しばしば言及される女性の描き方の変化についても語られていましたね。

このインタビューでは桜庭作品を包括的に語っているので、このムックの目玉といえるかもしれません。
こうして桜庭作品の特色を見ていくと、他の作家との違いが見えてきますね。
今後の作品に期待です。


○桜庭一樹の福袋
・作家による作品解説
・大谷ノブ彦による「桜庭作品偏愛録」
・桜庭本人の入魂の挿絵つき「ブルマー三部作」
・下積み時代のメモを貼った「桜庭家の壁面」
・推薦した本たち「帯文コレクション」
・桜庭家の本棚「愛と煩悩の108冊リスト」
・新宿&鳥取テリトリーマップ「二都物語」
・担当編集者による「大暴露! 暗黒の覆面座談会」

もーごっちゃごちゃ。
以上が福袋に収録されているものです。
108冊リストなど、以前、雑誌に載ったものも再録されていますね。
ここでは「作家による作品解説」と、「帯文コレクション」に代表される、影響を受けた本たちの名前が面白いかと思われます。
ここから新しい読書をする、っていうのも大いにアリなんじゃないのかなと。

また「大暴露! 暗黒の覆面座談会」にも注目です。
こんなハイテンションの座談会(しかも桜庭さんは不在)が許されていいのだろうか。
いいと思う。面白いからもっとやれ!


○単行本未収録小説
収録されているのは、以下の三篇。
   『ゴージャス』(野性時代より)
   『地球で最後の日』(別冊カドカワ「吉井和哉特集」より)
   『ぼくの代わりに歌ってくれ』(讀賣新聞より)

>フリルのドレスに、エナメルの靴。マイクを片手に髪をかきあげれば、わたしはゴージャス。微笑みは、ほら、ラメの輝き。
>わたし、乃木坂れなと申します。
ではじまる短編『ゴージャス』は『少女七竈と七人の可愛そうな大人』に出てくる、乃木坂れなのアイドル時代を描いた短編です。
このムックに収録されている短編ではいちばん好みです。
この作品を読んでおくと、「七竈〜」の読み方も少し違ったものになるかもしれません。

『地球で最後の日』は「吉井和哉特集」に載ったという事で、作中にK・Yという歌手が登場します。
もー、まんま吉井さんですね。
ちなみに、ムックのなかでも吉井さんのアルバム等が出現したりします。
いいですよね吉井和哉。


○文庫解説傑作選3
   「ずっとお城で暮らしてる/小指の先の天使/遠野のザシキワラシとオシラサマ」
福袋の「帯文コレクション」で紹介された本から、特に良いと言われるものを三冊載せたものらしいです。
どれも面白そうなので、気が向いたら買ってみようかなと思っています。

たまに思うんですが、桜庭さんから新しい本を知る、って体験をけっこうしているような気が。
そのうち108冊にもちょこちょこ手を出して生きたいですね。


○三村美衣ががんばった!「50音別桜庭ワールド辞典」
これは桜庭作品に登場するものをまとめた辞典で、
>体臭(たいしゅう)
>桜庭世界の少女たちは、しばしば嗅覚によって人間の本質を知る能力を持つ。たとえば、カナの養父は腐りかけの柿からする妙な匂い(推定)、淳悟は湿った雨の匂い(私の)、悠也は日向っぽい匂い(荒野)がする。
など、なかなかマニアックなものに仕上がっています。
どうしてその言葉を選んだんだ!
っていうものも多く、桜庭作品を知れば知るほど楽しめるんじゃないかと。


○なぜそんな一言を?「桜庭一樹語録1〜4」
これは本のなかに挟まっているおまけページみたいなものです。
かなり笑える、とだけ言っておきましょう。


うーん。
ムックはだいたいこんな感じですね。
購入を迷っている方へ。今すぐ、書店に走るのだ。
Secret

TrackBackURL
→http://yuta1988.blog34.fc2.com/tb.php/263-fea4d146