[PR] ハローワーク ---更地--- 四畳半神話大系/森見登美彦
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2008.02.04
クマの縫いぐるみが可愛い表紙の小説。
今日の感想は森見登美彦
「四畳半神話大系」です。

『無意味極まる超絶技巧を駆使した、登美彦氏史上もっとも厄介な小説』。
と著者が書く様に、無意味且つ超絶に面倒な小説です。
壮大です。厄介です。でも悔しい事に酷く面白いです。

この小説は四つの章から成っています。

第一章 四畳半恋ノ邪魔者
この章は人の恋路を邪魔し続けた主人公と、その親友である小津の話です。
大学三回生までの二年間で実益のある事を何一つしていない“私”。現在の過ちは全て入学後、映画サークル「みそぎ」に入ってしまったせいである。
そう思っていたある日、“私”は神様を自称する男と出会う。

第二章 四畳半自虐的代理代理戦争
この章は樋口さんに弟子入りした主人公と、その親友である小津の話です。
大学三回生までの二年間で実益のある事を何一つしていない“私”。現在の過ちは全て入学後、樋口さんに弟子入りしてしまったせいである。
そう思っていながらも、“私”は自虐的代理代理戦争を行い続ける。

第三章 四畳半の甘い生活
この章は孤独の中で己を試し続けていた主人公と、その親友である小津の話です。
大学三回生までの二年間で実益のある事を何一つしていない“私”。現在の過ちは全て入学後、ソフトボールサークル「ほんわか」に入ってしまったせいである。
そう思っていたある日、小津によって“私”の部屋に『香織さん』が運び込まれた。

第四章 八十日間四畳半一周
この章は妙な組織活動に明け暮れてきた主人公と、その親友である小津の話です。
大学三回生までの二年間で実益のある事を何一つしていない“私”。現在の過ちは全て入学後、秘密機関<福猫飯店>に入ってしまったせいである。
そう思っていたある日、“私”は唐突に四畳半に閉じ込められてしまう。
四畳半の扉を開けると、窓を開けると、壁を破るとまた自分の四畳半が。
延々と続く四畳半の意味とは何か。
“私”は四畳半から脱出できるのか。

そんな内容です。
エンタメ小説としてかなり優良で、本が好きなら買って損はありません。
少々値が張るので図書館で借りたほうがいいかもしれないです。
図書館に行かないので有無に関しては何とも言えませんが。

夜は短し歩けよ乙女」の樋口さんと羽貫さんが出てきます。
夜は短し歩けよ乙女」を読んだ事がある方は、彼らの違う側面を見ることが出来るかもしれません。

個人的には大学生に読んで欲しい本です。
と言うより登美彦氏の小説が大学生向けなのだと思います。

大学生=村上春樹という図式はよく聞きます。
村上春樹は嫌いじゃないですが、彼が描く感傷的でクールな登場人物やシュールで物悲しい物語は肌に合いません。
また村上春樹の大学生活は孤独で綺麗で、小ぢんまりと纏っていて違和感があります。

「100パーセントの恋愛小説」こと「ノルウェイの森」とか好きなんですけどね。
登美彦氏が作中で描く「おとこ汁」が圧倒的に足りないんですよ。きっと。

プライドが高くてスケベ。勉強もしない。体も鍛えない。婦女子とも接点を持たない。
登美彦氏が描くそんな登場人物は好感が持てます。共感できます。
「四畳半神話大系」のキーワードは壮大な無駄遣い、そして開き直りだと思います。

開き直りに関しては「太陽の塔」ラストシーンの「ええじゃないか」に通じるものもありますね。

※ここからは蛇足です。

「四畳半神話大系」を読んで思ったんですが、登美彦氏の物語の終わらせ方っていいですね。
ハッピーエンドとはいい難い、ありきたりに幸せな終わり方が好きです。
幸せをあえて語らないのは上手だと思います。

何となくトルストイアンナ・カレーニナ」の冒頭、「幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の種を異にしているものだ」という一文を思い出しました。
(「魔法先生ネギま!12巻」にもこの文は引用されていましたね)

ところで登美彦氏は自己紹介が秀逸なので、本を買ったら真っ先に読んでみて下さい。
こんなに笑ったのは滝本竜彦以来です。

【参考】
・漫画版「夜は短し歩けよ乙女」作者ブログ:Ranmarudo
・森見登美彦ブログ:この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ
……最近の日記によると風邪らしいです。
潤肺露を持っている方は登美彦氏に送ってあげると良いでしょう。



一日だけご無沙汰しました。
箱根から帰ってきました。雪が酷かったです。

予告どおり土産話はありません。
別にいいですよね。きっと。日記はmixiに書くと決めているし。

それにしても、旅行中この本しか持ってなかったせいか、随分饒舌な感想になってしまいました。
本とかブログとかに興味もってもらえたら嬉しいです。
流し読みでも一向に構いません。
が、それはそれ、気持ちの問題です。
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