[PR] ハローワーク ---更地--- ガブリエル・ガルシア=マルケス
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2008.08.07
落葉 他12篇落葉 他12篇
(2007/02/24)
ガブリエル・ガルシア=マルケス

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ガルシア=マルケス全小説(全9巻)の一、『落葉』です。
この短篇集は『百年の孤独』の副読本といった感じです。
収録されている短編は
 三度目の諦め
 エバは猫の中に
 死の向こう側
 三人の夢遊病者の苦しみ
 鏡の対話
 青い目の犬
 六時に来た女
 天使を待たせた黒人、ナボ
 誰かが薔薇を散らす
 イチシドリの夜
 土曜日の次の日
 落葉
 マコンドに降る雨を見たイザベルの独白
であり、ここからも分かるとおり、『百年の孤独』に連なるエピソードが散見されます。
ちなみに収録されている短編は1947-1955年の間です。
むしろ『百年の孤独』が1967に発表された、って事のほうが驚きですね。

まさかブックオフオンラインで売っているとは。

この短編の紹介文は、
>落葉(やつら)の喧騒が吹き荒れた後、この町には「死」がひとつ、重く虚しく残された……。
>敵視と中傷にさらされたまま、男は死んだ。男をかばい続けた老人、老人の娘、娘の息子。男の棺を前にした彼ら三代の独白(モノローグ)が浮かびあがらせるのは、束の間の繁栄、永遠の荒廃、町が演じた悲喜劇。表題作はじめ、物語の可能性を手探りで確かめながら、生の明滅を凝視して、かの蜃気楼の町マコンド創造に至る、若き日の作品群。
となっています。
上の方でも書きましたが、『百年の孤独』を読んでいると「お?」と思う部分も多いです。

例えばレベーカが未亡人として登場していること。
またレベーカの親(?)が、自分が捨てた<あの子>について語る部分。
レベーカだけでなく、アルカディオ・ブエンディア大佐の名前も出てきます。
確かその妻であるレメディオス・モスコテも出てきていたような気がします。
マコンドの三代目神父・アントニオ・イサベルもいます。

あの有名な「マコンドに降る雨」のエピソード、バナナ農園の虐殺についての言及もありました。
ガルシア=マルケスといえば、『百年の孤独』の他だと『予告された殺人の記録』『わが悲しき娼婦たちの思い出』があげられますが、『百年の孤独』の次は『落葉』を読むと、マコンドへの思いが更に深まること請け合いです。
彼がまだ未熟だった頃(それでも卓越した力でしたが)の作品と見比べる楽しみだってあります。

あとがきでは収録された短編と、ジャーナリズムの手法・ヘミングウェイ・カポーティとの関連についても語られています。
面白かったです。他の7冊も買いたいですねー。
2008.06.25
百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))
(2006/12)
ガブリエル ガルシア=マルケス

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この物語は大河に似ている。
それも澄み切った流れではなく、何もかも飲み込む濁流である。
歴史や運命、理不尽、感情、愛、苦悩。
マコンドという名の大河は幾多の人間を押し流し、翻弄し、そしてふっつりと消えてしまう。
この物語を読み終わったとき、あなたはこの流れの果てに自分自身を見つけるだろう。
我々はこの物語に対して第三者ではいられないのだ。

『百年の孤独』は蜃気楼の村マコンドの盛衰を描いた物語である。
草創当時のマコンドは、
>先史時代の獣の卵のようにすべすべした白くて大きな石がごろごろしている瀬を、澄んだ水が勢いよくおちていく川のほとりに、葦と泥づくりの家が20軒ほど建っているだけの小さな村だった
と形容される集落だった。
しかしマコンドは時の流れの中で、戦争と反乱、奇跡のような好景気、鉄道、よそ者たちの出現、バナナ会社、大規模なスト、4年間降り続ける雨、ありとあらゆる隆盛と衰退を経験し、廃墟となり消えてしまう。

この百年盛衰の中心にいるのが村を草創した開拓者一族・ブエンディア家だ。
ブレンディア一族の祖、ホセ・アルカディオ・ブエンディア。
彼の妻、ウルスラ。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラの間の長男、ホセ・アルカディオ。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラの間の次男、アルカディオ・ブエンディア大佐。
彼の妻、レメディオス・モスコテ。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の長女、アマランタ。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの元に届けられ、ブエンディア家の一員として育てられる事になったレベーカ。
ホセ・アルカディオとピラル・テルネラの間の子、アルカディオ。
彼の妻、サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ。
アルカディオ・ブエンディア大佐とピラル・テルネラの間の子、アウレリャノ・ホセ。
アルカディオ・ブエンディア大佐が違う女に生ませた17人のアウレリャノ。
アルカディオとサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの長女、レメディオス(小町娘)。
アルカディオとサンタ・ソフィアの子、ホセ・アルカディオ・セグンド。
アルカディオとサンタ・ソフィアの子、アウレリャノ・セグンド。
彼の妻、フェルナンダ・デル=カルピオ。
アウレリャーノ・セグンドとフェルナンダの長女、レナータ・レメディオス。
アウレリャノ・セグンドとウルスラ・イグアランの第一子、ホセ・アルカディオ。
アウレリャーノ・セグンドとフェルナンダの末娘、アマランタ・ウルスラ。
レナータ・レメディオスとマウリシオ・バビロニアの間の子、アウレリャノ(バビロニア)。
アマランタ・ウルスラとアウレリャーノ・バビロニアの間の子、アウレリャノ(豚のしっぽ)。
彼らはめくるめくマコンドの歴史の中、産み、殖え、苦悩し、恋をし、風に吹かれるように死んで行く。
『百年の孤独』とはブエンディア家における、決して癒されない魂の孤独であり、そして彼らとともにあったマコンドの孤独なのだ。

私が読んだ本の中で似たものに、
坂東真砂子『道祖土家の猿嫁』
桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
アレックス・ヘイリー『ルーツ』
などがある。
いずれも大きな流れの中を生きる人間を描いたものだ。
しかし『百年の孤独』がその全てに勝っているのは、ガルシア・マルケスが人間や歴史のもっと奥深く、つまり孤独を華麗に描き出している事にある。
人間であるという孤独、存在することに対する潜在的な葛藤。
こうまで胸を震わせる物語があっても良いのだろうか?

また登場人物で彼ら以上に重要なのがメルキアデスという老人である。
彼はマコンド創設の頃、毎年三月に当地を訪れたジプシーで、マコンドとホセ・アルカディオ・ブエンディアのもとに文明の利器・技術を持ち込んでいた。
彼はマコンドの発展後、ブエンディア家の居候として長い時を過ごす。
そして生前・死後を問わずブエンディア家の面々に影響を与えるのが、その最たるものが彼の残した予言である。
「この一族の最初の者は樹につながれ、最後の者は蟻の貪るところとなる」
羊皮紙に書き付けられていた、彼の予言、そして『百年の孤独』に隠された大仕掛けとは。

以上、物語の諸要素を並べただけとなってしまったが、紹介を終える。
この力強い奔流を、あなたも是非体験して欲しいと思う。

【参考リンク】
百年の孤独(wikipedia)
ガブリエル・ガルシア=マルケス(wikipedia)
松岡正剛の千夜千冊
『百年の孤独』特設サイト